
こんにちは。イヌイ薬局の乾 康彦です。
アトピーなど慢性皮膚炎の方には、
この時期の乾燥はお肌にもつらいものです。
もちろん日頃からの食事など生活習慣で、
悪化の予防そして養生をしておくことはとても大切ですが、
乾燥や炎症などでかゆみがおつらい時は漢方などのおくすりで、
症状を補ったり体質を補っておくこともやはり大切です!
アトピー性皮膚炎は症状に合わせて段階別に対処しましょう
中医学でアトピー性皮膚炎を考える場合、
「瀉」・・いらないものは捨てる、「補」・・足りないものは補う
のふたつを症状の段階に応じて対処します。
まずは、
赤みや炎症がひどい時には漢方薬などで炎症を抑えることです。
からだの余分な熱はからだにとっていらないものなので、
「瀉」=捨てましょう!ということです。
また、慢性的なアトピー性皮膚炎の場合「からだのゴミ」が
溜まっていることが、慢性化の原因になっている場合もの多いのでこの時にも
「瀉」=「からだのゴミ」を捨てることは、根本的な改善に向けて大切な事となるわけです。
もし、ステロイドなどのおくすりを使っている場合は、
漢方のおくすりなどである程度かゆみが治まってきたら、
使用頻度を少しづつ減らしていきます。
まず毎日から一日おき、さらに週に2回から1回というふうに減らしていきましょう。
ステロイドがなくても大丈夫になってきたら、
今度は服用して頂いている漢方薬も様子をみながら減らしていきます。
次に、
「瀉」=「いらないものを捨てる」で症状が治まったら、
そこから「補」=不足しているものを補っていくことが大切です。
お肌のことで考えるとこの「補」が大切なのが水分と血液です。
アトピー性皮膚炎の炎症が治まったあとには、
お肌の乾燥などの症状が出てきますので潤いを
食事からもスキンケアからも「補」っておきましょう。
そして、美肌には元気で豊富な血液が欠かせないものです。
血液もしっかり「補」ってキメの細かい美肌を作りましょう。
また今からの寒い季節には、血行が悪くなりやすいものです。
血液と共に血流も大切にしておきましょう。
まとめ
もちろん、この「補」と「瀉」はアトピー性皮膚炎の事だけに限りません。
体力や栄養が足りない時には「補」=補うこと、
「からだのゴミ」のような不要なものがある時は「瀉」=捨てること
を大切にしましょう!

乾 康彦
鳥取で大型ドラッグストア兼調剤薬局、相談薬局を5店舗経営。1990年より薬局の店頭で根本治療にふさわしい漢方による相談を始める。
2006年に中国で漢方の専門家として認められる国際中医師(現:国際中医専門員)認定証を取得。
生理不順、不妊、皮膚病、糖尿病、生活習慣病、ダイエット、便秘などの店頭相談は、5万件を超える。
「治療よりも予防 予防よりも養生」の思いを大切に、最近では忙しい現代人が安心安全に使える食材やスキンケア製品・「養麗(ヨウレイ)」シリーズの開発提供も行っている。http://atopy-druginui.jp

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