こんばんは、

鳥取にあるイヌイ薬局で、アトピー性皮膚炎などの皮膚トラブルを原因から考えて、食事や漢方のお薬,スキンケアで完全な改善を目指すお手伝いをしている、アトピー性皮膚炎アドバイザーの乾(いぬい)です。
私の薬局には毎年1000件以上のアトピーに悩む方が相談に来られます。が、その相談のなかで気がついたことを、このブログで詳しくお伝えします。
前回
漢方もお茶も中医学という中国文化が源①
で、おつたえしたとうり、実はお茶のルーツは漢方の生薬と同じと言われています。
世界で最初のお茶となった、中国茶を発見したのは「神農(シンノウ)」さんという人(神)で、この「神農」さんは、毎日毎日草の葉や根や実などを飲んだり食べたりして、その植物の薬効をまとめた「神農本草経(シンノウホンゾウキョウ)」という漢方生薬のバイブルともいえる記録を残したと言われています。が、ある日白い花が咲く茶の木をみつけて飲んでいると整腸作用があることに気づいて、以後は毒を中和するための解毒や、長寿のくすりとして用いられるようになったと言われています。
ですから、お茶もそもそもは健康維持のために漢方薬よりも作用が穏やかで、味や香の良いものという位置付けだったようです。
中国茶の基本は色で分けると
緑茶(ルーチャ)
青茶(チンチャ)
紅茶(ホンチャ)
白茶(パイチャ)
黄茶(ホアンチャ)
黒茶(ヘイチャ)
の6種類ですが、日本の緑茶に相当する緑茶(ルーチャ)と、ウーロン茶に代表される青茶(チンチャ)については前回おはなししました。
漢方もお茶も中医学という中国文化が源①
今日は、黄茶(ホアンチャ)と黒茶(ヘイチャ)についてです。
黄茶(ホアンチャ)
緑茶とおなじように、茶葉を加熱処理して自然発酵を抑えておいて、最後の仕上げ前に高温多湿な場所において徐々に少し発酵させた弱後発酵のお茶です。茶葉の色もお茶の色も黄色みをおびて、渋みがなくまろやかな味わいになります。2000年も前の漢の時代から楽しまれていた歴史あるお茶と言われています。
黒茶(ヘイチャ)
黒茶(ヘイチャ)は、ほかの発酵させた中国茶は茶葉に含まれる酵素によって発酵させるのですが黒茶(ケイチャ)はカビなどの菌を作用さえて発酵させます。代表的なのが、プーアール茶で茶葉の色も、お茶も黒い色をしているので名前の黒茶の由縁でしょう。
熟生されると、味がまろやかになり年月を経たものの価値があがるのはこの黒茶の特徴です。
最近中国で人気なのが、チベットやモンゴルなどの民族が愛用していた黒茶でキンカ菌というカビの一種の菌を含んだ黒茶で、不要な糖や脂肪の排泄をたすけてくれるとのことで経済発展著しく食が豊かになりすぎたダイエッターを中心に人気のようです。
お茶の味は、ウーロン茶のなかでも、たしかに癖が無くとても飲みやすくカフェインもふくまれていないとのことなので、おおやすみ前にも安心していただけます。
中国のお茶も漢方のおくすり同様に歴史が長く、このように熟成させたお茶を中心に茶芸師(チャゲイシ)さんと言われる方がいて、さながらお茶のソムリエのように中国茶の伝統を伝えています。
お茶も、体質や体調、季節に合わせて楽しめるようおくすり同様に、これからも分科としての中国茶についても伝え続けててゆきます。


乾 康彦
鳥取で大型ドラッグストア兼調剤薬局、相談薬局を5店舗経営。1990年より薬局の店頭で根本治療にふさわしい漢方による相談を始める。
2006年に中国で漢方の専門家として認められる国際中医師(現:国際中医専門員)認定証を取得。
生理不順、不妊、皮膚病、糖尿病、生活習慣病、ダイエット、便秘などの店頭相談は、5万件を超える。
「治療よりも予防 予防よりも養生」の思いを大切に、最近では忙しい現代人が安心安全に使える食材やスキンケア製品・「養麗(ヨウレイ)」シリーズの開発提供も行っている。http://atopy-druginui.jp

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