鳥取で創業90年のイヌイ薬局で、アトピー性皮膚炎などの皮膚トラブルの根本的な改善のお手伝いをさせていただいている、アトピー性皮膚炎アドバイザーのコナン(conan)こと乾(いぬい)です。

私たちのイヌイ薬局(http://druginui.biz/)
には毎年1000件以上のアトピーに悩む方が相談に来られます。その相談のなかで気がついたことを、このブログでお伝ええしています。が、
今日は、夏の時期悪化しやすい脂漏性湿疹についてお伝えします。特に、最近は「頭皮湿疹」についてお悩みが多いようですが「頭皮湿疹」の多くが脂漏性皮膚炎です。
・脂漏性皮膚炎(湿疹)の原因
まずはじめに、脂漏性皮膚炎(シロウセイヒフエン)とは、聞きなれない方も多いと思いますが、
余分な皮脂が分泌されてしまうことで発症してしまう皮膚炎(湿疹)
です。
脂漏性皮膚炎(湿疹)が良く発症する部位として
頭皮湿疹ともいえる頭部、
や
顔の五点分布といってTゾーン、鼻、鼻の両側、あごなどの顔面
さらに、前胸部、背中の中央部分、わきの下、陰股部
などによく発症します。
最近ご相談の多い頭皮湿疹の大半が脂漏性皮膚炎(湿疹)と言えます。頭皮湿疹もふくめて、脂漏性皮膚炎(湿疹)の直接的な原因は、皮脂の過剰な分泌ということになります。
・頭皮湿疹と脂漏性皮膚炎(湿疹)の症状
脂漏性皮膚炎(湿疹)の一般的な症状としては、皮脂の過剰な分泌が原因でおこるので
*脂っぽくてかてかしていたり少しジュクジュクしたり
*特に頭部や顔面などにべたべたしたフケのようなカサブタ(痂皮カヒ)ができたり
*やはり頭部や顔面にカサカサした白または褐色のフケのような皮膚(隣屑リンサク)が剥がれたり
します。こんなフケの様な特徴的な症状が「白い屑」のように見えるためでしょうか、中医学では「白屑風」「面游風」などと言われています。脂漏性皮膚炎(湿疹)は痒みも伴いますがこのフケのようなかさぶたなどが外見的にも見苦しく悩ましい皮膚炎です。
頭皮湿疹を含めて思春期・青年期以後、中高年の脂漏性皮膚炎の特徴は
頭部には、フケのような落屑や油っぽいカサブタがあったり
顔面では、Tゾーン、鼻、鼻の両脇、頬の五点と神の毛の生え際に鱗屑を伴う紅班を発症しやすく
体幹では、わきの下や女性の乳房の下、外陰部などにカサブタや紅班を発症したりします。
いづれも、大半の場合痒みを伴います。
最近多い頭皮湿疹がこの脂漏性皮膚炎(湿疹)の頭部に発症した場合と言えます。
特に、脂漏性皮膚炎が長引くとカビの一種の真菌が繁殖しやすいので真菌に対する対策も必要です。ステロイドやウフェナマートなどの消炎軟膏で思わしくないと気は、抗真菌剤(水虫たむしのおくすり)などで真菌のお手当もしておきましょう。
乳幼児の頭皮湿疹も脂漏性皮膚炎(湿疹)で
前頭部に脂っぽいネバネバした感じのカサブタ
がみられたり
おでこやマユ毛や頬に白や黄白色の痂皮や小さな赤いブツブツ(小丘疹)が見られます。
おとなの場合もそうですが、乳幼児の場合には痒みもあったり、ジュクジュクとした浸出液もあったりするのでかきむしったりすると体幹など全身に広がることもあります。
そして、脂漏性皮膚炎(湿疹)は皮脂の分泌が原因ですから毛穴にそって紅色丘疹が発症する特徴があります。
症状としては、
*脂っぽくてかてかしていたり少しジュクジュクしている
*特に頭部や顔面などにべたべたしたフケのようなカサブタ(痂皮カヒ)がみられる
*やはり頭部や顔面にカサカサした白または褐色のフケのような皮膚(隣屑リンサク)
が剥がれたりします。こんな症状のためでしょう、中医学では「白屑風」「面游風」などと言われています。脂漏性湿疹は痒みも伴いますがこのフケのようなかさぶたやとなり屑が外見的にも悩ましい皮膚炎です。
症状が出やすい年齢は、皮脂腺が活発化する時期の
生後から6カ月までの新生児・乳児期
と
思春期・青年期・中高年以後・特に肥満傾向の方
になります。要は消化吸収力の安定しない乳児、新生児期または、ストレスなどによってホルモン分泌が乱れやすい思春期・中高年に多いのが特徴です。脂肪の分解能力が安定しない新生児期・乳児期も、ホルモン分泌が乱れやすい思春期・中更年期ともに皮脂の分泌がみだれやすいことが直接の原因です。
ですから、頭皮湿疹などの脂漏性皮膚炎(湿疹)は
* 酸化しやすい動物性脂肪
* ストレスなどの緊張
* 睡眠不足
*消化機能低下・食事不摂生
*入浴、洗顔、洗髪などの洗浄不足
などの要因によって悪化してしまいます。これらの養生に注意しておきましょう。
・脂漏性皮膚炎のお薬
そして、皮膚のおくすりとして一般的につかわれるのは
A殺菌のための軟膏
*抗生剤
の軟膏としてテラマイシン軟膏などをはじめ、さまざまな雑菌の繁殖を抑える意味で良く使われます。また、痒みや炎症を抑えるステロイド剤と一緒になったテラコートリル軟膏などもあります。
*抗真菌剤
脂漏性皮膚炎(湿疹)の患部には、慢性的に経過した場合雑菌が繁殖していることが多く、カビの一種で水虫やタムシの原因となる真菌も繁殖していることが多いと言われています。慢性に経過して、おくすりなどで症状が思わしくないときは抗真菌剤の併用が必要かもしれません。最近はシャンプーなどにもミコナゾールなどの真菌剤が配合された製品も考慮にいれておくことをおすすめします。
B痒みを抑える消炎軟膏
*ステロイド軟膏
はかゆみがつよい時に使われますが、脂漏性皮膚炎(湿疹)の部位には雑菌やカビの真菌・カンジダ菌などが繁殖していることが多く、ステロイド軟膏単独では塗布した患部の免疫を抑制してしますので症状が悪化することがあります。必ず殺菌剤、抗菌剤の名耕との併用をおすすめします。製剤としては、ロート製薬などのメディクイックHなどの製品があります。さらに強力なステロイド製剤もありますが、頭皮への塗布であれば塗布を毛髪に邪魔されないローション(液体)タイプの使用が適切です。
*非ステロイド性消炎軟膏
としてウフェナマート(製品名:トレンタムクリーム、トレンタムローション)などの製材は、ステロイド軟膏ほど炎症や痒みを抑える作用はありませんが、免疫を抑制して症状が広がるなどの副作用が少ないため痒みが気になる場合におすすめです。
代表的な製品は、佐藤製薬トレンタムクリーム、トレンタムローションです。
皮膚の痒み全般に比較的安心して使えるので、お子さんがいらっしゃるご家庭では一家に一本あると便利です。ちなみに、頭部に使用する場合は髪の毛が軟膏の塗布を邪魔するので、ローションの使用が適切です。
*抗ヒスタミン軟膏
はジフェンヒドラミンなど虫刺されでおなじみのムヒやウナなどに配合ざれている成分で、むしさされ程度の軽い痒みや炎症には効果的です。頭皮湿疹専用としてユースキン製薬トーヒルなどがあります。成分的には、主剤はウナやムヒと同等の抗ヒスタミン剤が使われています。この場合も頭皮への使用であれば、毛髪に邪魔されないローションタイプの使用が適切です。
・脂漏性皮膚炎(湿疹)の漢方薬を中医学で考える
一つ目には、濃厚な食事や甘い食材の食べ過ぎ、辛いものの食べ過ぎ、たばこ、酒、などによって胃腸に負担がかかり余分な老廃物が十分に排泄されないで体内にたまると、余剰な皮脂として排泄されるので脂っぽい、ジュクジュクなどの症状を呈するようになります。
二つ目には、胃腸が弱かったり、あるいはもともと虚弱な体質だと身体を十分に潤すことがでず乾燥したタイプの脂漏性皮膚炎(湿疹)になります。
三つ目は、ストレスばどが多くイライラが慢性的な場合も、身体がほてりやすく潤いが少ないため乾燥して赤く炎症したりします。
*頭皮湿疹など脂漏性皮膚炎(湿疹)オイリー肌改善方法
頭皮湿疹をはじめ脂漏性皮膚炎(湿疹)は一般的に、血液に炎症が移って赤い皮膚症状が出ます。ですから中医学によるお手当は
まず炎症の熱をさまし、原因となった余分な体のゴミを排泄する瀉火利湿顆粒などなります。
ストレスなどが原因で炎症が起こる場合は逍遥散などでイライラを緩和し、瀉火利湿顆粒などで余分なからだのゴミや炎症を排泄します。
35才を過ぎたころからの潤い不足によるオイリー肌には瀉火補腎丸などで潤いを補いホルモンバランスを整えながら炎症を冷まします。
20代の肌など陽がつよい場合は五味消毒飲などで熱をさまし
脂漏性皮膚炎(湿疹)についても、アトピー性皮膚炎同様スキンケアも大切です。いづれの場合も
食養生、スキンケア、漢方薬
の3ステップになります。
脂漏性皮膚炎の場合は
皮脂を洗浄しやすい養麗潤クレンジングゲルなどのクレンジングで洗浄後、養麗潤ソープなどで洗顔して彗星油性の汚れを洗浄することが大切です。
五味消毒飲などのパックも有効です。
・頭皮湿疹など脂漏性皮膚炎(湿疹)の生活養生
脂漏性皮膚炎(湿疹)は名前のとうり「脂」が漏れるほどからだのなかに余っているために発症する症状ですから、
*まず、食事は脂っこいもの、粉食、味の濃いものを控えて
*野菜、海藻、きのこ、イモ類、お茶を多めに果物を通信の食事
*お茶はハトムギ茶や中国の暖かい地方で愛飲されている「涼茶」ともいわれる五味消毒飲などのお茶がおすすめです。
*不要な脂肪を排泄すためにも便秘・下痢は厳禁です。
・脂漏性皮膚炎(湿疹)のスキンケアについて
*毛穴をきれいにしましょう。
洗髪、洗顔はこまめに行いたいものです。また、頭皮湿疹も含めて脂漏性皮膚炎(湿疹)の患部には、最近やカビの一種の真菌、マラセチアグロポーザなどが繁殖していることが多いので、コラージュ フルフルシャンプーなど殺菌、抗真菌作用のある洗浄剤がおすすめです。漢方成分では、苦参、金銀花、地楡、紫根など配合の養麗潤ソープラクリマクリスティや瑞華露ソープなどの洗浄剤がオススメです。
*弱酸性のヘアケア製品やスキンケア製品などで毛穴をひきしめ、皮脂の分泌をコントロールしましょう。
*顔の脂漏性皮膚炎については厚い化粧は避けましょう。
*皮脂の分泌について睡眠はくすりです。適切な皮脂の分泌のためにストレス、睡眠不足は避けましょう。
・マトメ
頭皮湿疹をはじめとする脂漏性皮膚炎(湿疹)について
直接の原因は皮脂の過剰分泌です。頭皮湿疹をはじめとする脂漏性皮膚炎のお手当は
1食事や生活養生
2スキンケア
3軟膏や漢方のお薬
ということになります。
1の生活や食事では
・動物性食品など酸化されやすい油の食べ過ぎを避けて
・ストレスなどによるホルモン分泌の乱れないよう心穏やかに十分な睡眠で
皮脂の過剰分泌を予防しましょう。
2スキンケアのお手当は
・シャンプーなどを含めて、まず十分な洗浄
・毛穴を引き締めて皮脂の分泌をコントロール
3お薬のお手当は、
・軟膏は痒みと雑菌や真菌の静菌、殺菌を考えて選びましょう。
・漢方のおくすりは、皮膚炎なので炎症を鎮め皮脂のコントロールを考え瀉火利湿顆粒など体質にあtったお薬を選びましょう。
最適なお薬の選択は、迷ったら専門家に相談することおすすめします。
http://atopy-druginui.jp/consultation/index.html

乾 康彦
鳥取で大型ドラッグストア兼調剤薬局、相談薬局を5店舗経営。1990年より薬局の店頭で根本治療にふさわしい漢方による相談を始める。
2006年に中国で漢方の専門家として認められる国際中医師(現:国際中医専門員)認定証を取得。
生理不順、不妊、皮膚病、糖尿病、生活習慣病、ダイエット、便秘などの店頭相談は、5万件を超える。
「治療よりも予防 予防よりも養生」の思いを大切に、最近では忙しい現代人が安心安全に使える食材やスキンケア製品・「養麗(ヨウレイ)」シリーズの開発提供も行っている。http://atopy-druginui.jp

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