
アトピー性皮膚炎などの皮膚トラブルを原因から考えて食事や漢方のお薬で完治を目指します。
こんにちは、鳥取県にあるイヌイ薬局 アトピー性皮膚炎アドバイザーの乾(いぬい)です。
私の薬局には毎年1000人以上のアトピーに悩む方が相談に来られます。
そして全国からも電話やメールでご相談をいただくのですが、すべてに細かくお答えできないので、
このブログで回答させていただきたいと思います。
アトピー・湿疹の方の食事について
今回はアトピー・皮膚炎の方の食事についてのお話です。
・アトピー・湿疹の改善は食事から
・アトピー・湿疹の食事は色鮮やかに
・アトピー・湿疹の食事制限は工夫して
アトピー・湿疹の改善は食事から
アトピーや湿疹をはじめとするお肌の悩みは漢方と食事などの生活習慣とスキンケアで改善できることをご存知でしたでしょうか。
実際の漢方相談薬局での経験から、これからの季節、気温や湿度が上がりはじめると、アトピーや湿疹のご相談が急に増えます。
症状が悪化する前に食事や漢方で養生しておくと、かゆくて眠れない、動くだけで汗がしみて痛い、ジュクジュクで着衣が着にくいなどのとてもつらい症状を予防できます。
アトピーや湿疹も慢性的に悩まれている場合は特に予防が大切で、苦痛も少なくて済みますし、お薬も少なくそして改善の期間も短くなります。アトピーや湿疹に限らず、アレルギーのある方は食事にさまざまな制限がかかってしまうことがあります。
人間誰でも食事に限らず、「あれもダメ、これもダメ。」などといわれるとそれだけで嫌気がさしてしまいますよね。
アトピーや湿疹で悩む方の食事は何も食べてはいけないというわけではないので、食べれる物の中で好物を探すほうが楽しいかもしれません。基本的には、玄米などのツブツブの穀物を中心に野菜・果物などの多い食事がバランスが良く理想といえます。
アトピー・湿疹の食事は色鮮やかに
バランスの良い食事が良いと分かっていても、各々の食材の栄養素などなかなか記憶するのは大変かもしれません。
そんなときは、食事の色を一つの目安にすることも一案です。中医学では色にいろいろな意味を持たせていて、「五味五色」
などと言ったりします。
中医学でいう五色とは、青 赤 黄 白 黒の五色ですが、その意味は色と味と臓器などと関連します。
「五味」は「酸(さん)」(酸っぱい)、「苦(く)」(苦い)、「甘(かん)」(甘い)、「辛(しん)」(辛い)、「鹹(かん)」(塩辛い)。
五色の「青」は「肝」を意味する色で季節は「春」、五味は「酸」。ですから、
「肝」が高ぶりがちな季節の「春」には「青い食材」や「酸っぱい食材」がおすすめです。
五色の「赤」は「心」を意味する色で季節は「夏」、五味は「苦」。ですから、
「心」が高ぶり勝ちな季節の「夏」には「赤い食材」や「苦い食材」がおすすめです。
五色の「黄」は「脾」を意味する色で季節は「土用(季節の変わり目)」五味は「甘」。
ですから、「脾」が弱りやすい「土用(季節の変わり目)」には「黄色い食材」や「甘い食材」がおすすめです。
五色の「白」は「肺」を意味する色で季節は「秋」五味は「辛」。
ですから、「肺」が弱りがちな季節の「秋」には「白い食材」や「辛い食材」がおすすめです。
五色の「黒」は「腎」を意味する色で季節は「冬」五味は「鹹」。
ですから、「腎」が弱り勝ちな季節の「冬」には「黒い食材」や「鹹い食材」がお勧めです。
といった具合に、中医学では「五色」と「味」や「臓器」「季節」を関連づけて考えています。
その他にも穀物の「五穀」や身体から分泌される「五液」など様々なものに関連づけられています。
いずれにしても、わかりやすくこれから「夏」本番で暑くなるので「夏」を例にたとえれば、
「夏」には気温が上がり「心(心臓)」の鼓動が多くなり「心」に負担がかかりますが、
「苦い味」の「ニガウリ(ゴーヤ)}などによって「心(心臓)」の熱を
冷ましておくと良いです。お酒を飲みすぎたときなども「心(心臓)」の鼓動が上昇するので
渋茶の「苦い味」もおいしく感じることが多いでしょう。
「苦い」味がアルコールで高ぶる「心」を抑えてくれるからと考えられます。
これからの季節で「夏」の暑さに向かっては少し「苦い味」のものを加えながら
全体としては、五色のバランスを取っておくと彩りも楽しく、食事を五感で楽しみやすくなります。
アトピー・湿疹の食事制限は工夫して
アトピーや湿疹に限らずニキビでもフキデモノでも皮膚で悩まれる方は食事を気にされるかたが多く、
食事制限については良くご質問いただきます。
食事制限といえば「食べてはいけない食材。」ばかりが連想されるようですが、
皮膚はやはり食べたものから作られゆきますので、食事は大切です。
もちろん、食物のアレルギー試験などで調べてアレルギー陽性となった食材は
しばらく避ける必要がありますが、一定の期間がすぎると再び口にしてもアレルギーが起こらなくなります。
逆に食べてほしい食材は野菜や果物玄米などの穀物の全体、いわゆるツブツブごはんなどです。
また、皮膚はやはりタンパク質、アミノ酸から作られてゆくので、特に皮膚が修復されてゆく時期には
良質なたんぱく質が必 要です。人間の筋肉に近い食肉は、「豚」さん。脂身は避けたいところなので、
赤味のところを中心に油分の少なくなる調理として、「豚肉」の煮込み料理やこの時期しゃぶしゃぶなどが好ましいでしょう。
この時期、気温が上がってくるとアイスクリームなどが恋しくなる方は、
オレンジやブドウなどを冷凍したシャーベットで代用できると、
アトピーや湿疹などの皮膚症状への影響は激減するでしょう。アトピーや湿疹でお悩みの方は、
入浴後など体温が温まった時のかゆみに悩まされることが多いようですので、
入浴前後にこうした果物や野菜ジュースで体温を少し冷ましておくと、
おやすみになってからかきむしることも少なくなるでしよう。
また、本来の「甘酒」は甘味がありますが「甘酒」の甘味は砂糖の甘味ではなく
アミノ酸による甘味なので、アレルギーのある方々の糖分の補給としては理想の食材です。
かつては、遠泳や駅伝の前後の飲み物として日本人の定番だった飲み物です。
疲労回復や筋力の超回復の効果があったと思われますが、
アトピーや湿疹で掻き壊れたお肌の回復にも最適でしょう。
まだまだ食材を工夫すれば、食事制限の苦痛も減らすことができるでしょう。
イヌイ薬局ではアトピーの相談を承っております
私たちは約3万件の皮ふ相談をいただき、その多くの方のお悩みを改善してきました。
鳥取で薬局を4店舗運営していますので、来店していただき直接ご相談をいただけるのが一番嬉しいのですが、
鳥取までは遠いという方はホームページよりご相談いただくことでもできますので、
一人で悩まずにまずはお気軽にご相談くださいませ。
詳しくは▼コチラをご覧くださいませ。
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まとめ
今回はアトピーと食事の関係について書きました。
禁止食材ばかり考えるのはつらいです。食べられる食材のなかで
楽しく過ごせるコツを考えてみるのはいかがでしょうか。
「五味五色」を楽しみながら食養生を重ねられるのも面白いでしょう。
お薬よりも生活習慣で美と健康をお届けできるお店をめざします。

乾 康彦
鳥取で大型ドラッグストア兼調剤薬局、相談薬局を5店舗経営。1990年より薬局の店頭で根本治療にふさわしい漢方による相談を始める。
2006年に中国で漢方の専門家として認められる国際中医師(現:国際中医専門員)認定証を取得。
生理不順、不妊、皮膚病、糖尿病、生活習慣病、ダイエット、便秘などの店頭相談は、5万件を超える。
「治療よりも予防 予防よりも養生」の思いを大切に、最近では忙しい現代人が安心安全に使える食材やスキンケア製品・「養麗(ヨウレイ)」シリーズの開発提供も行っている。http://atopy-druginui.jp

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